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マンションの設備

衛生的で快適なマンション生活のために

マンションの機能や価値を維持するには?

マンションの設備配管や機器類はコンクリートや屋上防水などと同様に劣化は避けられません。
メンテナンスを怠ると水質悪化(赤水や錆臭など)や漏水事故の増加等が生じ、いずれ耐用限界に至ります。
衛生的で快適な生活や、マンション自体の機能や資産価値を経済的に維持するには、適時に点検し、トラブルが多発する前に改修工事を行うことが有効です。

マンションの機能や価値を維持するには?

国などの具体的な政策は?

マンションの設備配管が構造躯体(共用部)に埋設されていたり下階の天井裏を通っているような構造は、点検や工事を実施しづらくします。
国土交通省では、既存住宅の評価対象の1項目に、給排水管の「維持管理・更新の容易性」を定め、構造的な障害の解消を促進しています。
そのような、住宅(マンション)ストックの長寿命化を図る優良な取り組みに対して「長期優良住宅化リフォーム推進事業」で支援する等の環境を整備しています。

国などの具体的な政策は?

その狙いは?マンションストックの活用が大きな課題

平成25年住宅・土地統計調査結果では、空き家数が820万戸(空き家率13.5%)、その内共同住宅の空き家数は470万戸で空き家の6割弱を占め、「空き家対策の重要性は年々高まる」(総務省統計局)としています。また国土交通省では、高経年マンションが今後も増え続けていくため「既存マンションの耐久性向上・長寿命化を図る」としています。
そして「良質なマンションストックの活用」の観点から、既存マンションの耐久性向上のための技術開発や、劣化状況等の評価制度の普及に努め、上記の支援制度等を推進しています。

その狙いは?

日本にマンションはどれくらいあるの?

「マンションは1600万戸超、その内分譲マンションは600万戸超」

  • 日本の住宅総戸数(居住世帯のある住宅)は5,200万戸超あります。
  • 共同住宅はその4割超、マンションは1,600万戸超(住宅総数の3割、共同住宅の7割超)を占めます。
  • 分譲マンションは600万戸超で、マンション全体の4割近くを占めます。

このページ内での用語の使い方
「住宅」は、居住世帯のある、専用住宅と店舗等の併用住宅の合計
「マンション」は、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリートまたは鉄骨造の、3階建以上の共同住宅
「分譲マンション」は、前記マンションの内の分譲の住宅

【参考】「マンション」について
本来は大邸宅を意味する英語ですが、日本では昭和30年代から高級感をイメージする中高層集合住宅の呼び名として使われ始め、定着しました。その後、マンション管理適正化推進法(2001年施行)で「複数の区分所有された住宅専有部分を持つ建物」と定義され、法令用語として位置づけられました。

給排水管の変遷と劣化

あなたのマンションはどんな配管が使われていますか?
さびや劣化など確認してみませんか?

マンションの給水管の変遷

給水管の材料

マンションの給水管の変遷

初期のマンションには、共用配管・専用配管ともに内面に亜鉛めっきを施した鋼管(水道用亜鉛めっき鋼管)が使用されていました。
しかし配管の急速な発錆が社会問題となり、昭和40年代には水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管が広く採用されるようになりました。
しかし、継手部分の構造的、施工的解決が遅れ依然として錆問題が残り、大きく改善できるようになったのは昭和60年代に入って管端防食コア内蔵継手の使用が主流になってからとなります。
これと前後してステンレス鋼管も使用されるようになります。
高性能ポリエチレン管は可とう性が大きく、内外面からの耐食性に優れているので埋設管として使用され、また軽量で作業性・加工性に優れているため、最近では給水立管・枝管にも使用されています。さらに室内給水管では、昭和末から平成初め頃より架橋ポリエチレン管、ポリブテン管の使用が広まっています。

給水管の劣化

腐食形態は、金属面が一様に腐食する「全面腐食」、局部的に集中して腐食する「局部腐食」、局所的に深く腐食する「孔食」、「異種金属接触腐食」など、材料の構成や環境等によりさまざまな形態をとります。
上記の水道用亜鉛めっき鋼管の錆問題は、水源(河川)の汚染への対処の結果水道水中の残留塩素が増加し、給水管の発錆(腐食)が急速に進んだものです。
その結果、赤水や錆臭等の水質低下、さらには錆詰まりが発生するという、社会問題にまで発展しました。
その対応策として、既設配管内面を樹脂でライニングする管更生工法が開発されました。
一方では、給水管内を流れる水に物理的、電気的あるいは化学的作用を施すことによって防錆する数種の延命工法も発表され、それらは改良あるいは淘汰されて現在に至っています。

なお、住宅金融支援機構が目安としている取替え周期は以下のとおりです。

  • 水道用亜鉛めっき鋼管:15~20年
  • 水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管:15~20年
  • 同(管端コア使用):25~30年
  • 同(管端防食コア内蔵継手使用):30年~
  • 水道用ステンレス鋼管:30年~
住宅金融支援機構が目安としている取替え周期

マンションの排水管の変遷

排水配管は汚水系統・雑排水系統・雨水系統に分けられます(汚水系統と雑排水系統を一緒にする場合もある)。
横引き配管は排水勾配が必要で、長くするほど高さが必要となるため、建築年代や室内レイアウトにより躯体床上配管の場合と下階天井内配管の場合、また専有部内のパイプスペース内に配管される場合など、様々な構造がとられています。

排水管の材料

排水管の材料

排水管材の種類としては、古くから排水用鋳鉄管が汚水管に使用されています。
錆びづらく、耐用年数も他の管に比べて長く、防音性にも富んでいます。継手が改良されてきており、現在はメカニカル接合やワンタッチ接合となっています。一般的な排水管として、亜鉛めっき鋼管が昭和50年代まで使われていましたが、耐食性に劣ります。
それに代わりタールエポキシ塗装鋼管や硬質塩化ビニルライニング鋼管(メカニカル接合)が普及しています。
また、それ以前より使用されている硬質ポリ塩化ビニル管や、それにセメントモルタルを被覆して防火区画の貫通に対応した耐火二層管、熱膨張材を採用した排水用消音二層管や近年開発された消音耐火三層管等も現在では使用され、耐久性は向上しています。

排水管の劣化

排水管の劣化は配管内面の腐食(錆)、スケールやスライムの付着等により流量低下や管材の腐食に伴う断面欠損による強度低下や漏水といった現象となって顕在化してきます。
また排水管の曲部では、清掃に使用するワイヤーや洗浄ノズルによる機械的磨耗により腐食が促進する場合もあります。

スケール:配管内に固着した、カルシウムやマグネシウムなどを主成分とする水あかや尿石など
スライム:排水管内に付着、蓄積した油脂やタンパク類、毛髪、石鹸滓、垢、細菌性の粘り、カビ、ヘドロなど

なお、住宅金融支援機構が目安としている取替え周期は以下のとおりです。

  • 排水用亜鉛めっき鋼(ドレネジ(ねじ込み式排水管)継手):20~30年
  • 排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管(排水鋼管用可とう継手(MD継手)):30年~
  • 硬質塩化ビニル管(VP)、耐火二層管(排水用塩化ビニル管継手):30年~
  • 排水用タールエポキシ塗装鋼管(MD継手):30年~
  • 集合管工法の鋳鉄管、硬質塩化ビニル管:30年~
住宅金融支援機構が目安としている取替え周期