あなたのマンションは大丈夫ですか?

マンションの築年数や劣化状況、かけられる費用に応じて、給水管、排水管のさまざまなリニューアル方法をご提案できます。

給排水管工事の劣化

  1. 1.給水管の劣化とは

    給水管を劣化させる主な原因は下記の通りとなります。

    1. ①配管内部の腐食状況

      管内面の鋼管部分と水に含まれる塩素が反応し錆が発生します。特に金属の違う部分を接続する箇所には電位差で錆が発生し腐食します。この異種金属腐食は給水管の腐食の主な原因となっています。
      異種金属部分は主に配管とバルブ、配管と蛇口を接続している部分となります。

    2. ②外部環境による腐食状況

      腐食については管外面の鋼管部分の腐食となり主に埋設部及び屋外に設置されている配管で多く見受けられます。主たる原因については配管自体に外面腐食対策が行われていない事、環境としては多湿箇所及び塩害等で腐食が進行する事がほとんどとなります。

  2. 2.排水管材の劣化について

    1. ①排水管内部の腐食

      主に配管用炭素鋼鋼管で施工されている排水管の劣化が早く、改修工事を行っている事例が多く見受けられます。使用頻度・使用方法により劣化の状況が著しく違いますが、一般的には20年~30年程度で改修が必要となります。また、近年排水用鋳鉄管についても腐食が発生している事例が多く見受けられます。特に、結露及び発生ガスにより鋳鉄管上部が腐食をし穴が開いているケースが見受けられます。

    2. ②通気管の腐食

      排水通気管については排水が流れない事から劣化速度が遅いと考えられていました。近年では排水通気管が結露・発生ガス等により腐食が発生し、破損に至るケースが多くあります。隠蔽されたパイプスペース内で配管が破断している事があり、気付かずに長年放置されている事がありますので注意が必要となります。

    3. ③維持管理による不具合

      排水管は定期的に清掃を行う必要があります。その際に使用されているステンレス製の排水用洗浄ホースにより傷が発生し洗浄ホースが清掃の度に配管を削りやがて穴をあけてしまいます。現在は洗浄ホースの外側に樹脂の被覆を施した洗浄ホースが使用されています。

マンション給水管の変遷

給水管の材料

給水管の材料

初期のマンションには、共用配管・専用配管ともに内面に亜鉛めっきを施した鋼管(水道用亜鉛めっき鋼管)が使用されていました。
しかし配管の急速な発錆が社会問題となり、昭和40年代には水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管が広く採用されるようになりました。
しかし、継手部分の構造的、施工的解決が遅れ依然として錆問題が残り、大きく改善できるようになったのは昭和60年代に入って管端防食コア内蔵継手の使用が主流になってからとなります。
これと前後してステンレス鋼管も使用されるようになります。
高性能ポリエチレン管は可とう性が大きく、内外面からの耐食性に優れているので埋設管として使用され、また軽量で作業性・加工性に優れているため、最近では給水立管・枝管にも使用されています。さらに室内給水管では、昭和末から平成初め頃より架橋ポリエチレン管、ポリブテン管の使用が広まっています。

給水管の劣化

腐食形態は、金属面が一様に腐食する「全面腐食」、局部的に集中して腐食する「局部腐食」、局所的に深く腐食する「孔食」、「異種金属接触腐食」など、材料の構成や環境等によりさまざまな形態をとります。
上記の水道用亜鉛めっき鋼管の錆問題は、水源(河川)の汚染への対処の結果水道水中の残留塩素が増加し、給水管の発錆(腐食)が急速に進んだものです。 その結果、赤水や錆臭等の水質低下、さらには錆詰まりが発生するという、社会問題にまで発展しました。
その対応策として、既設配管内面を樹脂でライニングする管更生工法が開発されました。 一方では、給水管内を流れる水に物理的、電気的あるいは化学的作用を施すことによって防錆する数種の延命工法も発表され、それらは改良あるいは淘汰されて現在に至っています。

なお、住宅金融支援機構が目安としている取替え周期は以下のとおりです。

水道用亜鉛めっき鋼管:
15~20年
水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管:
15~20年
同(管端コア使用):
25~30年
同(管端防食コア内蔵継手使用):
30年~
水道用ステンレス鋼管:
30年~

マンション給水管の変遷

排水配管は汚水系統・雑排水系統・雨水系統に分けられます(汚水系統と雑排水系統を一緒にする場合もある)。
横引き配管は排水勾配が必要で、長くするほど高さが必要となるため、建築年代や室内レイアウトにより躯体床上配管の場合と下階天井内配管の場合、また専有部内のパイプスペース内に配管される場合など、様々な構造がとられています。

排水管の材料

排水管材の種類としては、古くから排水用鋳鉄管が汚水管に使用されています。
錆びづらく、耐用年数も他の管に比べて長く、防音性にも富んでいます。継手が改良されてきており、現在はメカニカル接合やワンタッチ接合となっています。一般的な排水管として、亜鉛めっき鋼管が昭和50年代まで使われていましたが、耐食性に劣ります。
それに代わりタールエポキシ塗装鋼管や硬質塩化ビニルライニング鋼管(メカニカル接合)が普及しています。
また、それ以前より使用されている硬質ポリ塩化ビニル管や、それにセメントモルタルを被覆して防火区画の貫通に対応した耐火二層管、熱膨張材を採用した排水用消音二層管や近年開発された消音耐火三層管等も現在では使用され、耐久性は向上しています。

排水管の材料

排水管の劣化

排水管の劣化は配管内面の腐食(錆)、スケール※やスライム※の付着等により流量低下や管材の腐食に伴う断面欠損による強度低下や漏水といった現象となって顕在化してきます。
また排水管の曲部では、清掃に使用するワイヤーや洗浄ノズルによる機械的磨耗により腐食が促進する場合もあります。
スケール:配管内に固着した、カルシウムやマグネシウムなどを主成分とする水あかや尿石など スライム:排水管内に付着、蓄積した油脂やタンパク類、毛髪、石鹸滓、垢、細菌性の粘り、カビ、ヘドロなど
なお、住宅金融支援機構が目安としている取替え周期は以下のとおりです。

排水用亜鉛めっき鋼(ドレネジ(ねじ込み式排水管)継手):
20~30年
排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管(排水鋼管用可とう継手(MD継手)):
30年~
硬質塩化ビニル管(VP)、耐火二層管(排水用塩化ビニル管継手):
30年~
排水用タールエポキシ塗装鋼管(MD継手):
30年~
集合管工法の鋳鉄管、硬質塩化ビニル管:
30年~

給水方式の変更

マンションや事務所ビル等の給水方式は「受水槽方式」が一般的でした。
現在では多くの自治体が、衛生的な水を各戸まで直接供給できる「直結給水方式」の拡大を積極的にすすめています。
そうしたインフラ環境の変化を受け、給水管や加圧ポンプの更新を機に直結給水方式に変更するマンションが増えています。
地域によっては水道本管の水圧・建物の高さ・使用水量などのために、直結給水方式が利用できない場合があります。

直結給水方式

受水槽方式

どんな方式?

水槽を使用することなく給水する方式

水槽を返して水を供給する方式

どんな種類があるの?

  • 直結直圧給水方式

    配水管内の水圧を利用し建物内の器具に直接給水する方式。階数等に制限(概ね3~5階まで)がある。

  • 直結増圧給水方式

    配水管内の水圧を利用しながら、さらに増圧ポンプで給水圧を高め、給水する方式。中規模なマンションやビルで主流となっている。

  • 高置水槽給水方式

    受水槽に貯留した水を揚水ポンプにより高置水槽へ揚水し、重力により給水する方式

  • 加圧給水方式

    受水槽に貯留した水を、加圧ブースターポンプを連続運転することにより直接各戸へ給水する方式

  • 圧力タンク給水方式

    受水槽に貯留した水をポンプにより圧力タンクに送りコンプレッサーで空気を圧縮加圧し、その圧力を利用して給水する方式

長所は?

  • 配水管内の水圧を利用し建物内の器具に直接給水する方式。階数等に制限(概ね3~5階まで)がある。

  • 配水管内の水圧を利用しながら、さらに増圧ポンプで給水圧を高め、給水する方式。中規模なマンションやビルで主流となっている。

  • 受水槽に貯留した水を揚水ポンプにより高置水槽へ揚水し、重力により給水する方式

  • 受水槽に貯留した水を、加圧ブースターポンプを連続運転することにより直接各戸へ給水する方式

  • 受水槽に貯留した水をポンプにより圧力タンクに送りコンプレッサーで空気を圧縮加圧し、その圧力を利用して給水する方式

どんな時に適している?

水槽を必要としない為、メンテナンス費用の低減が可能。
小・中規模のマンションに適している。

水槽の水を断水・停電時でも使用が出来る。
大型マンションに適している。

注意する点は?

  • 貯留機能がないため、事故や災害時等に断水するリスクがある。

  • 増圧方式の場合、停電時には配水管の圧力では届かない上階で給水不能になる場合がある。

  • 増圧給水設備を設置する場合は、定期点検が必要になる。

  • 貯水槽の点検・清掃、水質検査等の維持管理費、貯水槽の更新費用がかかる。

  • 貯水槽で一旦水を受けるため、配水管の圧力が開放されてしまい、エネルギーを有効に活用できない。

イメージキャラクター紹介

マンション等の大規模修繕をご検討の際に、一緒に設備点検や設備工事を行っていただきたい、という願いをかわいい男女のキャラクターに表しました。
「このさい」「そろそろ」というマンションリニューアル検討タイミングを、キャラクターとともに覚えておいていただければと思います。

「このさい君」と「そろそろちゃん」 日本設備工業のマンションリフォームイメージキャラクター 「このさい君」と「そろそろちゃん」